弘前大学教養教育開発実践センター

センターからのお知らせ

教養教育開発実践センターについて

教養教育開発実践センター長挨拶

センター長 髙瀬 雅弘

「教養」ということばから皆さんがイメージされるのはどのようなものでしょうか。「教養のある人」といえば、ものごとをたくさん知っている、洗練された大人といった感じになるかもしれませんし、また街の書店を覗くと「教養」という語をタイトルにもつ本も多く並んでいて、ときにはベストセラーにもなったりします。

大学教育は、「教養」をひとつの柱としています。弘前大学に入学した学生の皆さんは、各学部での専門教育とともに教養教育科目を履修します。弘前大学の前身校のひとつであり、太宰治も学んだ旧制官立弘前高等学校は、「教養」に満ちた場でした。ここで重視された「教養」とは、哲学・文学・歴史学、そして語学教育です。そうした伝統は、現在の弘前大学の教養教育にも脈々と受け継がれています。

しかしながら、「教養」のかたちは今日に至るまでずっと同じというわけではありません。時代や社会の要請に応じて、教養教育も進化を続けています。かつての(私自身が学生時代に受講していた)教養教育科目といえば、大教室でひたすら先生の話を聴くという講義がほとんどでした。しかし現在の弘前大学の教養教育には、少人数でのアクティブラーニングやフィールドワークなど、皆さんの自発的な学修をサポートする科目も多く用意されています。そして講義の場は、ときにキャンパスの外にまで広がっています。また英語教育では、習熟度に応じたクラス編成を行い、基礎から発展まで多様なレベルの科目を開講して、皆さんの英語コミュニケーション能力の向上に寄与することを目指します。

2022年度からは、教養教育において新たに数理・データサイエンス教育プログラムが実施されます。そこで目指されるのは、文理融合的な思考を発展させること、データサイエンスを用いて様々な課題解決策を提案できる力を育むことです。文系・理系の枠を超えた新たな学びが、各学部・学科の専門教育へとつながる重要な基盤となることが期待されています。

弘前大学は、「不易と流行」「伝統と革新」、いずれも大切にする、「よくばりな」教養教育を目指します。大学での学びの魅力のひとつは、皆さんが自身の興味や関心に沿って、自分だけの時間割を作ることができる点にあります。総合大学である弘前大学の教養教育科目は、バラエティに富んでいます。選択するにあたっては、シラバスを熟読するもよし、先輩方からの情報に耳を傾けるのもよし。でもただ時間割の空白を埋めるだけではもったいない。ぜひ皆さんも、教養教育での「よくばりな」学びをデザインしてみてください。

教養教育開発実践センター長
髙瀬 雅弘

教養教育の目的

大学の教育システムは、大きく分けて、専門教育と教養教育から成り立っています。
専門教育は、主に「専門教育科目」を通して行われます。「専門教育科目」とは、それぞれの学部の教育理念に基づいた学部独自の科目のことであり、それぞれの専門分野についての知識や考え方を深く学びます。

それに対して、教養教育は、「教養教育科目」を通して行われます。
「教養教育科目」とは、学部の区別なく、全ての学生が受講する科目のことであり、弘前大学では以下の目的に沿って「教養教育科目」が開講されます。

教養教育の目的

  • 主体的・能動的学修への転換
  • 文理融合教育による多元的な視点や思考法の獲得
  • 国際共通語としての英語能力の獲得
  • 地域志向性(地域が持つ強みや課題の理解、課題解決への意欲等)の涵養
  • 国際性(異文化理解、多文化共生等)の涵養